2010年2月アーカイブ

 今年は花粉が少ないという。しかし私の鼻は昨年以上に反応をしている。長年にわたりアレルギー科での処方を受けているが,どうも薬物の追加が必要な気配。
 年度末のバタバタがようやく終わりつつある。予算はほぼパーフェクトに使い終えた。確定申告も終えた。あとはEdyカードからの損害賠償金の入金だけだが,うわさどおりに作業が遅い。「ケータイサイフ」やEdyなどが当たり前の世の中になったが,ひとたびトラブルに見舞われると実にメンドウだ。

 さて2月も後半。これからの1ヶ月少々は授業や雑務(校務)負担の少ない比較的「自由」な期間だ。花粉で少々ぼんやりした頭は論文読みと論文書きに追われる。

 1. 文化と自己:気がつけばとんでもないテーマに足を踏み入れつつある。一昨日,3本の論文が送られ,今日も一本の論文が送られてきた。すでに膨大な数の論文が公刊され,日本だけでも「専門家」が何十人もいる領域だ。マップが欲しい。自分専用のマップだ。
 例えて言うならば,初めてのレストランに入り,何百もの料理がのっているメニューを渡された状態だ。自分の食べたいものにたどり着く為に,片っ端から食べ進めていくわけにはいかない。見たことも聞いたこともない料理名も珍しくないのだから。

 2. 食事バランスガイドと健康:学会発表,論文執筆のdutyが生じている。栄養,食生活領域の論文を収集し始めている。どうしても健康の議論が「心身」ではなく「身」中心になる。「心」にもっていきたいのだがなかなか難しい。

 3. 食の比較文化研究:食行動,食態度の文化比較を通じて何が言えるか,何がわかるか。こちらの方は研究仲間が論文執筆に入り始めているが,うまくまとまるだろうか。

 4. 食の発達:こちらも研究仲間がぼちぼちとまとめの作業に入っている。なかなか難しい。

 5. ボディイメージ研究:過去2年間のデータをまとめる作業に入っている。身体満足感/不満足感は,自分の身体をどこまで大事なものと感じるかという身体自尊感情につながる。当然,食行動との関連もつよい(はず)。自己観とも関連するはず。おもしろいテーマなのだが,ダラダラしているうちに,最近流行のテーマになっているようで論文もよく出てくる。追いつき追い越すことができるだろうか。。。

 6. 飲料食品産業:現代の食のrealityは企業サイドからみるとよくわかる。巨大化した飲料食品企業は常に新しいマーケット,新しい需要をキャッチし,場合によれば,生み出していく。彼らに,彼らの発想の中にはない(なかった)話題を提供するのが私の役割であり,企業が今何を考え,どのように動きつつあるのかを知らしめるのが彼らの役割だ。昨年に続き今年も4月早々にそのような機会がおとづれる。考えをまとめ,プレゼンテーションの準備をしなくてはならない。

 7. 学会活動:3月には2つの学会で発表をおこなう。5月には運営にかかわっている学会の大会がある。9月にはすでに2件の発表とシンポジウム指定討論,ワークショップ発表を引き受けた。

 8. 社会への貢献・還元:今年は4月以降の依頼はない。ただ一月前,二ヶ月前といった直近でくることもおおい。戦々恐々というところ。

 9. 健康管理:ようやく4月に脳ドックの検診予約がとれた。脳出血,脳梗塞の徴候がどの程度見られるか,気になるところ。

 10. 授業準備:これが最後にくると方々からおしかりの声が来そうだ。講義系科目を中心にぼちぼちと進めている。

 11. 雑務(校務):これはない。大学運営の外野にいると,「正論」は吐けるし,なにより会議漬けの日々を送らなくてよい。「いじめ」の対象にならない努力は必要だが,今のところ,総じて「員数外」の扱いだ。まだ「大学教員=研究者」と自己同一視することが可能だ。地方の文系大学にあっても実にラッキーだとおもう。

 12. 視線/瞳孔解析研究:昨年からスタートさせたこの研究を忘れていた。こちらは道具(測定器)をいかにうまく利用するかということで,食嗜好(好悪感情),ボディイメージ研究での活用が課題。

 とまぁ,あいもかわらず手を出しすぎているなぁと思う。昨年まではこれに,米作り・野菜作りという「一人食育」「食の実践体験」が加わっていた。

 ブルーツゥース対応のスピーカーか受信機を購入しようと駅前にある大型家電店BCへいった。商品の品揃えはY電気の比ではない。しかし,スピーカー売り場をうろつくのだが商品が見あたらない。「STAFF」の文字入り前掛けをしている店員に「ブルーツゥース対応のスピーカーはおいていますか?」と聞くと首をかしげる。「なんですか,それ?」と聞いてくる。簡単に説明し始めると,人の話もきかずに,店員マニュアルのようなものを取り出して,索引で調べ始める。やがて「ちょっと待ってください」とどこかえ消えてしまう。

 その店員から相談を受けたと思われる若い店員が現れ,スピーカー売り場で商品をチェックし始める。私はどうしていいのかわからず,改めてその店員に同じ質問を繰り返す。うんともすんともいわない。こちらも勝手に,何度目かの商品チェックを繰り返し,イヤホーン売り場へ移動していく。ようやくそこで発見。ふと見渡すと,最初の店員も次の店員もシランフリをしている。

 ダメだこれ。メンドウだな,と思いながらも一通り商品をチェック。結局,ブルーツゥース対応のスピーカーは一つしかおいておらず,受信機が数種類,さらにIPOT用スピーカーにセットし使用するというタイプのものを一つ発見。ところがスピーカーに値札がついていない。再び,別の(つまり3人目の)店員を呼び,値札がないことを告げる。「少々お待ちください」といってしばらくすると,第4の店員が近くをうろつき始め,チラチラと私の顔をみる。ぽそぼそと「イヤホーンの。。。(客でしょうか)」みたいなことを口にする。

 さすがにこちらもしびれが切れ始め,「イヤホーン!?」と聞き返す,すると「(失礼しました)」と言ったかどうか,さっと逃げていく。さらに待たされ,再び3人目だった店員が現れ,何もいわず値札の貼られていないその商品を持っていく。こちらも意地になり,さらに待つ。やがて第4の店員が近づき,ぼそぼそと金額を告げる。。。。

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 さて,今回の問題点を整理したい。第一に,店員が自分たちの扱っている商品のことを,まったくといっていいほど知らない点。これはBC本部から送られてくる商品を展示することで手一杯となり,商品知識,とくにブルーツース(ワイヤレス)といった比較的最近の流行商品については勉強をしていないということだ。大規模店本部の意向が末端の店舗店員には伝わっていない。現場の店舗店員はただうろたえるだけだ。

 第二に,店員間のコミュニケーションがまるでできておらず,結果としてお客さまをほったらかしにしているにかかわらず,平然としている点。「少々お待ちください」といえば,その言葉を発した店員が「お待たせいたしました」というのが筋であり,別の店員に引き継ぐなら,その店員を連れてきて「こちらの者がお答えいたします」というのが筋だ。このような「当たり前のやりとり」ができない。同じフロアーで2度も連続したのだから,個々の店員レベルの問題ではなく,フロアー全体,店舗全体の「教育」がまったくできていないということだ。

 このBC店舗には以前B電器が入っていた。吸収合併にあたりB電器の店員をそのまま引き継いでいる可能性がつよい。旧来の店員はBC本部から送られてくる商品をただ並べているだけといった印象だ。B電器が「身売り」をしたように,現在のBC広島店にも明るい未来はない。
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 さて,去年から地方の薬剤師会の大会に呼ばれて,あれこれとしゃべることが続いている。接待の場などで話しをうかがうと,大規模薬局チェーンの地方進出があいつぎ,地方の小規模店舗の薬局は大変らしい。大規模店は進出にあたり,安売り攻勢などで周辺の小規模店をつぶしにかかる。それに成功すると,無茶な安売りをしなくなくなり,利益確保に走る。博打と同じだ。少々の金持ちでも胴元の経済規模にはかなわない。あっという間に「小金」は吸い取られてしまう。

 薬局しかり,電器屋しかり。なによりも飲食店しかり。かつては一国一城の主であった薬剤師は大規模チェーン店に雇われる身となり,しっかりと出汁をとって自慢の一杯をだしていたうどん屋の奥さんは,マクドナルドで「いらっしゃいませ」と言うようになる。大規模家電店の店員は「難しい」ことを言う客に出会えば自らの不運をなげき,別の店員に回そうとする。回された店員は無愛想な応対しかできない(あんたの客だろう。何でオレが。。。)。売りやすい客に売りやすい商品を売ることだけに集中したいのだ。こうして大規模チェーン店は,「無人化」(人と人とのコミュニケーションがとれなくなる)していく。

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 「ブルーツーススピーカー」など,Google検索をすれば簡単に調べられる。検索件数結果は15.400,000件だ。そこから商品を選び,商店を選び,インターネットを介して購入すればすむことなのだ。どうしても商品を見たければ,秋葉原,新宿,池袋にいけばいい。。。(広島などの地方都市に生きる人間は,インターネット販売に頼るしかない。)

 今回は期せずして,地方が衰退していく仕組みをまざまざと実感した。

 と,タイプを打っていると新聞社系の雑誌から取材依頼が来た。メタボおじさんがファミレスや居酒屋でどのような「食べ方」をすれば肥満が防げるのか,という話しらしい。最近はどこも経費縮減でメール取材が多い。これはこちらもやりやすい(写真を撮られる心配がない)。とりあえず取材OKの返事をだす。

 

クエを食べる

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 松山の居酒屋「誠」で会食。8人ほどの小宴会だ。ビールに続き,日本酒を飲む。愛媛の酒を一通りすすめられる。5年ものの純米酒がよかった。すっきりとした飲み口で,とても5年寝かした酒とは思えない。かといって新酒のようなカドがない。日本酒の「うまさ」の基準は比較的簡単だ。「水」に近づけば近づくほど「うまい」と感じる。もちろん水以上に「水らしく」ないといけない。愛媛の酒がしっかりとしているのか,店の酒選びがしっかりとしているのか,楽しいひとときを過ごす。

 料理も次から次へとでてくる。煮魚は食感に特徴のあるものがでてきた。記憶にある魚ではない。サメのような弾力を感じるのだが,サメではない。あっさりしているのだが適度に脂がのっている。なんだろうと思って尋ねるとクエという答えがかえってきた。別名アラともよばれる高級魚だ。クエ→アラ→「高級」という連想がでてきて,そのとたんに「おいしい」と思ってしまう。

 仕切り直しはMJQが松山公演のあとで立ち寄ったというライブジャズの店。ジャズピアニストの経営者が趣味でやっているような感じの店だ。本人が,気軽に,ラフに,ピアノを弾いていた。

 久しぶりの松山。今回の移動手段はフェリー。軽自動車を使用したということもあるがなんと料金は片道4700円。高速艇を使えば(クルマなしで)6000円近くとられることを考えるとずいぶんと安い。宇品,松山観光港までの移動コスト(バス・電車・タクシー)がかからないのだから,実費はもっと差がつく。土日の移動なら高速道路もずいぶんと安くなるが,こちらの方が賢いだろう。なにしろ,フェリーは移動時間中に,船内でゆっくりとできる。

 さて松山からの帰路,フェリーは呉に立ち寄る。接岸場所の正面が大和ミュージアム。そこに飾られた巨大な潜水艦に向かって進行していく。潜水艦の背後にはyou me(スーパー+複合商業施設)の看板。実に奇妙で,アグリー(ugly)な光景だ。

 呉港を出たフェリーは宇品へ向けて北進していく。右手沿岸部は造船工場がつづく。左手には江田島。地図でみると米軍秋月弾薬庫と表示されている場所がある。正面に見えるのは金輪島で,その左隣が宇品島だ。宇品島の先端近くにそびえる高層ホテルがはっきりと識別できる。

 フェリーは右手に,かるが浜,呉ポートピア,小屋浦をやりすごし,徐々に江田島の先端へちかずく。そこをすぎると,左手遠方にすっきりと立ち上がった山がみえる。これが似島にある安芸小富士なのだろう。広島港から数キロも離れていない海上に,似島がある(さらに,その右側には峠島という小さな島がある。無人島なのかもしれない)。

 と,タイプをしているうちにフェリーは広島港に入港。

 

e-Tax納税

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 昨年は,e-Tax納税をしようとあれこれ手続をしているうちに,確定申告期間がすぎてしまった。案の定,追徴課税をされてしまった。たいした雑収入でもないにかかわらず,給与所得者は確実に「取られる」。
 久しぶりの確定申告会場。カードリーダーを借りる程度のつもりで気軽に入ったものの,人があふれかえっている。e-Tax申告はガラガラ,そこに入ろうとすると「予約ですか?」と聞かれる。ガラガラなのに!(まるで高級レストランだ)。
 多少強引に入り込み,初めての作業。本来のパスワード以外に2種類の別のパスワードを作らされる。数字6桁と英数字8桁以上。(こんなものはソフト上で解決できそうだが。。。)
 ポイントは,雑収入を得るに要した経費の申告だ。知人の一人は,そこに,適当に,大きな金額を書く。これは詐欺まがいの行為だ。200万の印税を得て,その経費が100万なんてことはまずありえない。さらに,公費出張を経費として申告する(公費出張は経費支給制であるので手元に領収書が残る。それを転用・悪用する)。こうして何十万円もの追加納税を「回避」する。よほどの人間不信者か,税制度不信者あるいは単なる「悪」人だろう。私は小心者であり「詐欺師」ではない。正直に経費を申告する(領収書の送付は必要ないが,きちんとそろえてファイリングしてある。領収書のないものを「概算」などしない)。ようやく「追加納税額」が決まる。もともとたいした雑収入ではない。傷はあさい。まぁ,馬鹿正直な納税者というところだ。

 あらためて所得にはきびしく,経費にはあまいと感じる。あらためて給与所得者にはきびしく,政治家,自営業者にはあまいと感じる(給与所得者である税務署職員はどのような心理状態なのだろうか)。なによりも,税をすいとる仕組みが前近代的なシステムだと思う。さらに,すくなくとも確定申告は,還付申告者と追加納税申告者の扱いを変えて欲しいと思う。こちらはわざわざ税金を追加納税しにいくのだから。

 まあこれで,この1年は,追加徴収もなく,地方税への跳ね返りもなくすごせるだろう。従順で,小心者で,馬鹿正直で,「必要悪」に徹することのできない一納税者なのだと改めて納得する。

 ハイチのその後が気になり調べてみると,Wikipedia(US)で実に詳細な記事がでていた。現在進行形でどんどんと内容が追加されていっているようだ。
 title: 2010 Haiti earthquake

 2/10段階で,ハイチ政府は確認された死者数を23万人と発表した。未確認の埋葬者数はカウントされておらず,いったいどれほどの人が亡くなったのかはあいかわらず不明だ。負傷者は30万人。住宅崩壊は25万件,商業施設崩壊は3万件ということだ。

 ハイチの人口は2008年統計で10,033,000人。ほぼ1000万人。地震被害の中心である首都Prt-au-Princeの人口は250-300万ということだ。

 これらの数字でどこまで「状況」を想像できるだろうか。当初は,死者1万だ,4万だ,5万だと不確実な数字がでていた。それが23万となった(たぶん,この先さらに増えるだろう)。

 さて,ここで以下の事件の死者の数を比較してみたい(きちんと確認していないので間違いがあるかも知れない)。
 9.11          2,973名
 長崎原爆      73,884名
 広島原爆        90,104名
 阪神・淡路大地震  6,437名
 関東大震災        105,385名

 人災(戦争)と自然災害を一緒にはできないが,9.11の死者数が「意外に」少ない印象がつよい。「人のいのちの尊さ」みたいなことがよく言われる。はたしてこれらの数字をみて「少なくとも」23万人の死者を出したハイチ地震をどこまで「想像」できるだろうか。同じ「一瞬の出来事」であった9.11の100倍近い死者数をだしているのだ。

 数字の怖さを実感させられる。ちなみに,イラク戦争での死者は, 3,748名(米軍)+71,510-78,081名(イラク民間犠牲者)ということらしい。
 

 時の政権与党幹事長の「汚職」疑惑が,不起訴処分となった。(特捜部からのインフォーマルな捜査情報リークに基づくもののようであるが)マスコミの論調は「限りなく怪しい」というもの。「黒」(起訴)でなかったから「白」(潔白)ということではない,かぎりなく「灰色」なんだから「説明責任」がある,という批判がでてくるだろう。とはいっても(時の政権与党幹事長を擁護するつもりは毛頭ないが)「白」であることの証明など,どだい不可能だ。

 これは帰無仮説は証明できないという話しに通じる。言い換えれば,有意差のでない結果は,ぎりぎりの統計値であっても「黒」にはならない。「灰色」はいくら重ねても「黒」にはならず「灰色」のまま,ということだろう。


 Aという効果を見るために,A群とAなし群の2群を設けて両群を比較する。有意差がなかったとする。これをもって「Aの効果なし」ということにはならない。「Aの効果があるという仮説を立証できなかった(2群間に有意差がなかった)」ということにすぎない。
 
 食品科学の世界ではつぎつぎと未知の物質(化学物質)が発見され,その効果が調べられている。いったいどれだけの「健康物質」がとりあげられてきたことだろう。サプリメントの棚をみれば「健康物質」名であふれかえっている。信じられないような過剰な量を投与したり,非常識な設定で実験をおこない,「差」を見いだしてきた実験に支えられているケースがおおい(らしい)。

 発がん作用をもつ物質についても同様。「差」のでた実験が一つでもあると,「危険」だということになる。帰無仮説を棄却することができるという「メリット」をフルに活用して,「健康物質」と「危険物質」がどんどんと量産されていく。あれはいい,これもいい,あれは危険だ,これも危険だ。。。。

 政治の世界も「お金に健康」であることを立証できるような仕組みを作れないものだろうか。「立証」できなかったからといって「お金に不健康」であることを証明したことにはならないのだから。
 
追記:冒頭の「汚職」事件は,従属変数を「政治資金規制法違反(さらに贈収賄。。。)」から「脱税」に切り替えると「有意差」がでてくるかもしれない。ただ実験室が「検察」から「国税庁」に移ることになる。
 

暗くなる話し

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 久しぶりに冷たい雨が降る。暗い話しにはもってこいだ。
 
 この3月に卒業予定者の就職内定率は62.5%(全国)。昨年より7.4ポイント減ということらしい。日本はこれまで新卒一括採用できたので、就職先の決まらない学生は、非正規雇用者のコースをあゆむ可能性が高くなる。(孫引きだが)総務省「労働力調査」によると、15-34歳の若年層(在学中を除く)の非正規雇用は31.7% とのことだ。年齢があがればこの数値はさらに上昇する。。。1/3が非正規雇用。。。

 かといって正規雇用が「一安心」かというとそうでもない。産業構造の急激な変化(グローバル化)により、仕事はよりハードになり、給料は上がらない。実際に、就職後数年での離職者はけっこう存在する。どうも「正規雇用されただけでもありがたく思え」といった風潮がなきにしもあらずの印象だ。

 20歳代の非正規雇用者の収入は、厚生労働省の調査では17−19万円/月ということだ。一見するとやっていけそうだ。しかし、ここから年金、健康保険などを支払わなくてはいけない。一人暮らしなら家賃を払えばあとはカツカツの暮らしになるだろう。

 勉強好きなら大学院進学という選択もある。ところがどっこい、日本中に就職浪人(オーバードクター)があふれかえっている。大学院卒業生の正規雇用採用率は知らないが、学部よりも相当に厳しい数値だろう(少なくとも心理学領域では)。

 「大学の先生はのんびりとできていいですね」という声が聞こえてきそうだ。しかし、今朝の日経では私学の40%超えが赤字とのこと(幸い、この大学はその40%には含まれていない)。570ある大学の222校が経営に苦しんでいる。経営破綻で、学生募集停止、大学統合・経営移譲といった話しもちょくちょくと耳にする。国立大学はすべての大学が恒常的に「赤字」というべきだろう。教員の期限付き雇用もどんどんと増えてきている。正確な数字はあがっていないと思うが、経験的にはずいぶんと増えてきているように思う。

 「企業が求めているのは資格や成績ではない。自立的、主体的に動いてくれる人材だ」という声がある。いうならば企業が「新しい経営者(になりうる人材)」を求めている時代なのだろう。「指示待ち」労働力はいくらでも調達できる。「指示をきちんと与えることのできる」人材が欲しいということなのだろう。

 大きく政治と世界が変わらない限り(変えない限り)、非正規雇用率は増加していくだろう。1/3が非正規雇用、1/3が薄給で苦しむ正規雇用、残る1/3が。。。