2008年11月アーカイブ

心理学基礎演習でやった心理テストとはなぜか得点がちがったけれど。。。

心理テストは「こころのものさし」です。「こころ」は「うつろいやすい」ものですから、同じ結果にはなりません。それでも「ほぼ一貫した結果」をだせるものにしようと、過去何十年にもわたり膨大な心理学者らが努力して作ってきたものが心理テストです。心理学専攻の学生のようですので、ぜひこれからその「努力の跡」を学んでいってください。

また心理テストをしてみたい

という感想は結構ありました。やはり自分ではなかなかわからない「自分」を測定してくれる「こころのものさし」はおもしろいと思います。もう一度やりましょう。

当たっている。しかし、Wiiの検査では違う結果だった

Wiiにあるんですか?実験用にDSiを数台発注しましたが、Wiiも発注しようかな。。。

抑制の点が低くて。。。ショックを受けました

あれれ、授業内容からいうと、低い方がいいですよ。無理をせず、その分ストレスも少ないはずですから。

どうして女子の方が全体的に平均値が高いのか。。。食物新奇性恐怖というのがどういう意味かよくわからかった

「現象」として女子の方が総じて高い、のは事実。その「解釈」は、授業でもすこし述べましたが、女子の方が「こころで食べる」「頭で食べる」部分が多いからでしょうね。食物新奇性恐怖は、(たぶん)生まれつきもっている傾向、用心深さ傾向のようなものでしょうね。教養講義ということであまり専門的な話はしていません。私の書いた論文等もありますので、一度調べてみてください

BMIが「ふつう」なのには驚いた。「ふつう」ならこの腹のぜい肉は何なんだろう。。。

その腹のぜい肉が「ふつう」ということです。とはいえ、この「ふつう」は健康教育、健康指導の観点からいうと、「ふつう」ではないことをわすれないように(もっともっと腹にぜい肉を!)。

「ふつう」ということに驚きました

今回の「ふつう」は平均的という意味です。「これでいいんだ、大丈夫」ということではないので、注意してください。授業の趣旨は、「ダイエット(摂食抑制)があたりまえ」「やせているのがあたりまえ」となっている現状が問題だ!、ということですから

今まで人と比べたことがなかったので、改めて比べてみて、自分のことがよくわかるな、と思いました。

そうですね。「こころのものさし」のいいところは、自分自身の主観、思いこみを離れて、同じ土俵(心理テスト)で、他者との比較をおこなえるところでしょうね。授業内容から離れるので今回は予定していませんが、性格テストなどをすると実におもしろい。心理学専攻の学生は、あれこれ経験できます。

。。。やはりレストラン外側の模型ウィンドでした。食べるつもりでなかったものも、この視覚の不思議な力でつい手を伸ばしてしまうのも、止められないことだと痛感しました。

私の研究テーマの一つでもあるのですが、飲食店の商品サンプルは日本に特徴的なものです。日本人はそのサンプルを見て食欲がかき立てられる。欧米人は、みごとな懐石料理をみても、美学的な感動はしてもなかなか食欲まではいかないようです。何か日本人は、他の文化圏の人たちと比べて、「見かけ」に大してより敏感に反応するようです。なぜなんだろう、とこういうところから食の心理学研究(の一つ)は生まれていきます

BMIの数値はあたっていないと思いました。私の場合「やや細い」だったけど実際はもうちょっと部分的にやせたいと思っています。

BMIの数値は、身長、体重から自動的に計算されます。あなたが正確に入力したのならば「当たって」います。「やや細い」のです。さらに、健康指導の観点からいうと、「細すぎる」「もっと太りなさい」ということになります。この「やや細い」にもかかわらず、まだまだ「やせたい」というのが問題なのですね。個人的には、「健康的な笑顔」「魅力的なふるまい」「体型と個性にマッチしたファッション」といったことがらに関心・注意を向ける方が生産的だと思います。

この授業の教科書では普通だったのに、配付資料と照らし合わせると明らかに「太い」だった。やはり自分はデブなのか?

教科書の表は、日本肥満学会(厚生労働省)が示した基準であり、配付資料は皆さんが入力した結果にもとづく数値です。ですので、基準からすると「ふつう」でも。。。これが怖いのですね。「ふつう」がふつうでなくなっていくのですから。ともかくBMI20-22は「デブ」ではありません。

一人暮らしなので偏食ぎみだと思った。どうしても、簡単に作れるものや、食べれる物に偏ってしまう

授業の趣旨から離れるので、しゃべっていませんが、私はこの数年、「食育」がらみの講演会によばれることがよくあります。食べること、調理すること、食材を購入することを楽しみましょう、そういったことを楽しめるような環境作りが大事、みたいな話をよくします。食の安全・安心も、食を楽しむことがあって初めて成立するものだと思いますね。X大スタンダード科目あたりに、「一人暮らしを楽しむ知恵と技術:おいしいチャーハンの作り方」みたいなものがあってもいいのかもしれません。

当たっている

7-8割の人は「当たっている」と書いていました。当たって当たり前(なにしろ、かなりの費用とかなりの時間をかけて私らが作ったのだから。。。)と思う反面、そんなに「当たる」ものでもないのだが、とも思います。テレビや雑誌に掲載されている「心理テスト」や「占い」と比較するなら、「当たり」の程度ははるかに高いことは間違いないでしょう。

上の方で食品サンプルの話をしましたが、日本人を特徴付けるものに「占い好き」「心理テスト好き」があります。血液型性格テストなどは典型的ですね(あれは血液型不正確テストと呼ぶべきでしょう)。信じやすい、信じたいという行動傾向がつよいのかもしれません。今回の結果に限らず、あまり「信じ込む」ことのないようにしてください。

ということで、200枚ほどの出席カードをようやく一通り読みました。大変。

グロリア・スコット号

「僕、ここに書類を持ってるんだがね......」
 と、私の友人、シャーロック・ホームズは云った。 それは冬のある夜のことで、私たちは火をかこんで腰かけていた。
「ワトソン君、これは君も一読しといていいものだろうと思うんだよ。 そら例の『グロリア・スコット』の怪事件なんだが、それからこの手紙は、 治安判事のトレヴォが、それを読んで、恐怖のため死んでしまった手紙 なんだよ」。

と、あれこれさわっているのだが、我ながら実に危なっかしい。。。

 今回は最初に先週の復習とまとめ。体内に取り込まれたエネルギーは発熱によって消失するが,実は排泄という第4の出力ルートがある。下剤の服用といった強制的な排泄法と自発的な嘔吐による排出。両者ともに健康への悪影響は避けられず,決して勧められる方法ではない。

 自発的嘔吐については,それが神経性大食症(ブリミア)を特徴づける症状でもあることを説明。

 ということで,ようやく「肥満の心理学」へ。キーワードは,外発的摂食,抑制的摂食,情動的摂食そして脱抑制。研究者は,シャクター,ハーマン,ポリビィ。「ついつい食べ過ぎてしまう(その結果として太り気味になりやすい)食行動の諸特徴は何か」と質問すれば,答えられますね。

 この授業は,本プログとは別に授業専用Webサイトをもっています。
 http://www.globaleat.org/~imada/index.html

 このプログを置いているドメインとは異なりますので,注意して下さい。
 Webサイトの方は,授業で使用したスライド(画像抜き)と心理テスト課題などを置いています。

 本当は,このブログとドッキングさせて,もっと使いやすいものにできるはずですが,なにぶん「古いタイプの職人(見習い)」が手仕事で動かしているものですから,あっちへ行ったりこっちへ行ったりとなっています。

 ITに詳しい人ならわかると思いますが,両方とも大学のサーバーではありません。実は大学のサーバーにも教員ホームページを設置しています。さすがに手が回らず,今年はほとんど使用していません。今田の研究活動そのものに関心がある人はのぞきにいってみて構いません。2008年度の活動記録などを公開しています。
http://ns1.shudo-u.ac.jp/~imada/07_08research_folder/08memory.html

 心理学専攻の学生は,心理学e-learningシステムのページから,個々の教員のブログを見ることもできます。こちらの方のブログは,私自身の備忘目的もあり,幅広いテーマで随時更新していっています。

 本日は,「肥満の生物学」についての補足的内容。


 1) 排出行動について:痩せるためには,入り口に制限を加えるか(すなわち,食べる量を減らすか),出口に工夫のこらすしかない(すなわち,取り込んだエネルギーの消費,排出)。今回は,排出に注目した。いわゆる排泄以外に排出方法はある。下剤等の服用による強制排出と自発的な嘔吐である。その両者とも心身の健康状態に多大の悪影響をおよぼす。安易な方法ではあるが,習慣化すると怖い。

 習慣的な強制排出(不適切な排出)に特徴づけられる精神疾患(食障害)に神経性大食症(ブリミア)がある。授業では鈴木京香主演のドラマ「オンリーユー」(1995年)を上映し,大食とそれにつづく強制排出の数場面を紹介した。スリムな体型を維持しなければならないファッションモデルの「陰の部分」について考えてもらうことを意図した。モデルやアスリートなどはついついそのきらびやかな側面ばかりに注意がいくが,その実態は実に厳しいものがある。

 2) イギリスBBCの編集からなる「FAT FILES: 命懸けのダイエット」を放映した。肥満遺伝子,レプチン,視床下部をめぐる研究が紹介された。これらはいわば「病気」としての肥満だ。これらの研究を通じて,「食べ過ぎる」仕組みが徐々に解明されてきている。(たぶん)遺伝子欠損もなく,レプチンも正常に分泌され,視床下部もきちんと機能しているであろう我々に対する重要なメッセージは,「意志の力」で食欲を抑えることは困難であること,同時に,食べ過ぎる人は必ずしも「意志の力」がよわいわけではないということだろう。皮膚の色,身長といったものと同様に,体型(体重)も遺伝的に決定されているといえよう。

 ところが一方で,過去数十年にわたる急激な肥満者,過体重者の増加という事実が存在する。遺伝子が突然変化したとは考えられない。この現象の背後には,生物的基盤からは説明しきれないもの,すなわち環境要因が関与している。飽食という環境が,多くの人をして「意志の力」をむなしいものとさせている。

 では飽食という環境のもとで我々はどのような行動をとっているのだろうか。環境対処の方法といってもいいだろう。当然,個人差の大きなものである。次回よりは,「肥満の心理学」としてこの点についてみていく。

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