最初に
1/27の授業:第15回目はありません。1/29が試験ですね。授業は来週1/20:第14回目で終了です。
今回は
最初にカロリーという「概念」について説明をしました。いくつか計算問題を出しました。なぜ20をかけるのかという質問がありました。体温36度C,室温16度Cという前提でしたので,「死体」を16度Cと仮定し,36度Cまで「暖める」には20度Cが必要(36-16=20)ということです。スライドを用意していたので明日でも(忘れていなければ)アップします。
来週は最後ですので,年末におこなった心理テストの「判定表」を配布します。この授業を通して,自分自身が(食とダイエットに関して)どのような特徴のある人間なのかを知る手がかりとしてください。
さて,授業の主内容は「拒食症」でした。
では,以下より皆さんからの感想とそれに対するコメント:
(略)しかしながら,この施設の治療方法の一部に疑問を感じます。。。食事をしなければチューブで無理やり胃に流し込むというのは,彼女たちの存在を脅かす行為だと思います。確かに,このような,強制プログラムをすれば,命を救うことはできるかもしれません。しかし,心をますます傷つけてしまう場合もあるのではないでしょうか。一番大切なことは。。。心を解放させてあげることではないでしょうか。。。逆効果ではないでしょうか。。。食事管理を徹底するよりも自分に自信を持つことができるように,導くことが重要ではないでしょうか。
裏表びっしりと書き込まれていました。実にもっともな意見です。想像するに,医師の立場から,最終手段として用いられた方法ではないでしょうか。延命は医師の重要な使命です。チューブ食を拒否すればもっと厳しい(ひどい)方法が用いられたはずです。食障害医療の現場は,生死のぎりぎりの状態にある患者を相手にしているだけに,このような話しを聞くことはよくあります。
最終的には,ものの感じ方,考え方を変えさせ,ありのままの自分を受け入れ,自信をもち,明るく楽しい毎日が送れるようにさせることが大事です。しかし,それは簡単なことではありません。あまりいい意味で使用される言葉ではありませんが,マインドコントロールが必要となります。単に「教え」「さとす」だけでは通用しません。「そんなことはわかっている。しかし私は食べれない,食べたくないんだ」という壁にぶち当たるだけです。
食障害が「難病」といわれるのはこのような理由もあるといえます。「食べることの心理学」(p.210-211)にも書かれていますが,心理的特徴としてまじめ,がんこ,完璧・完全をめざす,思いこみがつよい,他者の評価を気にしすぎる,自尊感情が低いといったものがあります。何らかの引き金(トリガー)によって「やせる」ことを目標にしてしまい,その目標に向かって直進してしまう結果として「発病」してしまうようです。
例えば,回復に向かっているのに「ふっくらしてきたね。よかったね」みたいなことを下手に言うと,逆に深く傷つき,再び食べなくなるということもあるようです。
。。。拒食症はとてもこわい病気なのだということがわかりました。
そうです。たぶん(まちがいなく)このキャンパスにも何人も何人もこの病気に苦しんでいる人がいます。あまり気軽に「拒食症」という言葉をつかいたくないですね。また心理学では「神経性食欲不振症」「神経性無食欲症」「アノレクシア」という正確な用語を使用していることも忘れないように。
。。。拒食症の人はダイエットに失敗した人がなるものだと思っていたけど,実際はそれぞれが持つ心の悩みが拒食症という病気を引き起こしているんだなぁとおもった。。。
このような感想をもってもらえることが今回の授業の意図・目的でした。
。。。拒食症の子たちは標準体重以上の他人を見てどう思うのだろう。。。やはり嫌悪感を抱くのでしょうか?。。。
確か誰かの研究に答えがあったように思うのだが,思い出せない。是非,PubMed, PSYINFO, CiNiiあたりで調べてほしい。おぼろげな記憶では「無関心」というか,すくなくとも嫌悪感を抱くようなことはなかったように思う。あくまでも「自分」に最大限の関心があるのですから。
あんなにやせているのにあんなにやせなきゃいけないっていう考えにとらわれているのに驚いた。食べ物をあそこまで拒否するとは。。。「食べたくない」という感情が私には分からない。
実に素直な感想ですね。「こころ」というのはそれだけ「謎」だらけともいえるでしょう。こわいことは「わかった」つもりになること,それも無意識のうちに。人(子ども)の「こころ」などそうそう「わかる」ことはできません。今回の教材によって,食障害の実際を,そのごく一部を,知ってもらった以上に,このような「こころ」の奥深さについても気づいてもらえてよかったと思います。
。。。自分の気持ちがコントロールできないのも大変である。
「気持ち」というものはわかったようでわからない。ましては自分の「気持ち」など。心理的に混乱し,それが慢性化し,さらに社会生活がうまく維持できなくなると大変ですね。
。。。自分もあのままでいたら,ビデオのようになっていたと思います。やせるつもりなんてなくても,食べ物が体に入る,食道を通る幹事が不快で,摂取しなくともこんなに普通にくらせるの!!と思っていました。今も,ストレスでたまに食べられなくなるので,病気としてあんなにガリガリになるまで食べないってことがないように気を付けように思います。
ぜひぜひ「気をつけて」ください。ともかく「食べる」という習慣をしっかりと維持するように。ひと言いうならば,あのビデオのような施設(ですら!)はそうそうありません。入所には驚くほどの費用が必要なはずです(お迎えのお父さんが乗っていたクルマもベンツでしたね)。ちょっと気になってネットで調べても,食障害治療施設がみあたりませんね(「摂食障害治療をうたう悪徳ビジネス」のサイトはトップででてきましたが)。となると,やはり,病院。。。
キーワードを変えるといくつかでてきました。私もこれまでに何人かの専門家(多くは医師)と接してきましたが,患者さんは施設(病院)をてんてんとするケースがおおいようです。緊急措置は医師であればすぐにとれるようですが,きちんとした治癒の体制をとっているところはなかなか存在しないようです。
。。。自分では,このままの状況が危ないという,危機感が分からないという点が,この病気の恐ろしさだと思いました。
そうです。専門的には「病識がない」といいます。鏡に自分を映しても実際以上にふっくらと見えてしまうようです。体重計の数字すら単なる数字に思えていくようです。それだけに「病識」をもって,自分には治療が必要と認識しているケースだとまだ治療もおこないやすいようです。
。。。あの学校では食べることを矯正し続けるように映っていたが,もっとカウンセラーをした方がよいのではないかと思った。映っていなかっただけかもしれないが。
冒頭の意見とも重なりますね。私もそう思います。かなりの食教育カリキュラム,グループミーティング,心理セラピーなどが組み込まれているはずです。好意的に解釈すれば,40分のドキュメンタリーですので,焦点を絞ったのでしょうね。つまり,治療のあり方,特に心理的介入ははずして,「食べれない(食べたくない)病気」の存在に焦点を絞った,と。
拒食症になる人は完璧主義である。。。回復するまでの「時間」がもったいない。。。
完璧主義,完全主義はキーワードでしょう。日本人(日本文化)は,「ほどほどに」「適当に」という行動規範をもっていますので,それをうまく使っていきたいですね。心理的バランスを保つ,ということが大事でしょうね。
。。。言葉では言い表せないほどのショックを受けた。
学生番号から見ると心理学専攻の学生ではありませんね。全学対象の授業ですので,あまり(心理学の)専門に深入りしないようには気をつけています。「ショック」をうまく生かしていってください。
。。。あの施設は厳しすぎると思う。運動まで制限されたら,ストレスでどうにかなる気がする。
ナオミのケースだけだろうと思います。想像するに,ほっておくと朝から晩まで(深夜まで)運動をし続けるのでしょう。この病気の症状の一つに「過剰な運動」があります。
途中ですが。。。
まだすべてのカードを読み切っていません。とりあえずここまでのところでアップします。ついつい食べ過ぎてしまうという心理はまだわかりやすいですが,食べれない(食べたくない)という心理はわかりにくいようですね。それでいいのですが,後者のケースで(中には)生死の境をさまようまでに痩せ続けていく人が実際に存在するということを知ってもらいたいと思います。